富田林・甘南備のアトリエ兼住居できました。建て主が生まれ育ったものの、近年は長らく空き家で朽ちかけていた古民家をリノベーションしました。

随分長い間、空き家になっていたので屋根の雨漏りもあり床が抜け落ちたり、壁も崩落していた状態でした。もともとは解体してプレハブでも建てようかと相談を受けていましたが、大きな断面の地松の構造材や差し鴨居はまだまだ使えそうで、これは再生できると確信して方針転換しました。

高勾配でメンテナンスにも苦労されていた茅葺屋根(のちにカラー鉄板へ改修)は、将来的なリスクもこの際無くしておきたいということで撤去して緩勾配のガルバ屋根で新たに架け替えました。内部の真壁の左官仕上げなど、古民家ならではの意匠はそのまま活かしています。

敷地は北側が斜面地の沢筋で湿気がこもりやすいため、これを原因とする腐朽菌による足元の劣化も散見されました。工事面積を減らしてコストダウンということもありますが、大幅に減築をして空気の通り道を確保しています。減築と既存躯体・仕上げの活用により、工事費の最適化にもつながっています。寒冷地なのでセルロースファイバー+外断熱も施し、快適な小さなアトリエに生まれ変わりました。

<建築概要>
建築場所:富田林市甘南備
用途:アトリエ
構造:木造平屋建

(主な外部仕上げ)
外壁:焼杉板・ポリカ波板
屋根:ガルバリウム鋼板
(主な内部仕上げ)
床:既存土間コンクリート・杉板
壁:左官補修・杉板目透かし
天井:既設板
建具:ラワンベニア
空き家の間に雨漏りで傷んでいた改修前の古民家。茅葺屋根のメンテナンスが負担になっていた 内部は外壁も崩れ落ち、床も抜けていたが、大きな松の梁が生き生きとしていた 屋根や普及していた下屋周り、簡素に作られていた馬小屋を解体 沢型地形で湿気の多い敷地、ベタ基礎を打つために建物をいったん持ち上げた 茅葺屋根部分を撤去しあらたに屋根をつくる After アプローチ空間を半屋外として、物置やイベント使いの可能な場にも 既存の古民家意匠はそのままに、セルロースファイバー+外断熱で断熱性能も向上 断熱材を吹き込んだ外壁はローコストに目透かし張りの杉板仕上げ、アトリエ使いで造作がしやすいメリット