高知県香南市野市の古民家をリノベーションした口唇口蓋裂専門クリニックです。建物の一部には児童デイサービス機能も併設しています。

もともと丁寧に造作された既存和風建築の意匠は出来るかぎり残しつつ、一階の和室には受付カウンターを新設して落ち着きのある待合空間に。元ダイニングはX線室を併設した診察室へ改修しました。

診察チェアーはコストダウンと将来的な可変性を考慮して無配管タイプの器具を採用しています。南面二間続きで明るく持ちよい和室は、将来的に児童デイサービス施設を想定しており、左官壁や襖紙の色を替えて遊び心のある空間になりました。

医療系クリニックといえば、白を基調としたモダンな内装やガラス張りのファサードが一般的にイメージされますが、民家のリノベーションという手法で、住宅地で地域に溶け込みながらも唯一無二のクリニック像を描くことができました。

<建築概要>
建築場所:香南市野市
用途:デンタルクリニック
構造:木造2階建

(主な外部仕上げ)
外壁※玄関周り:吹付塗装
屋根:既存瓦
(主な内部仕上げ)
床:杉フローリング/長尺シート
壁:クロス/左官
天井:クロス/既設化粧板
建具:既存加工
昭和中期の和風住宅を中古で購入しリノベーションしました。 内部は古いながらも和の意匠が丁寧に作られていました。 改修後のファサード。庭石や立派な塀などは撤去しオープンなクリニックに 住宅の高低差の処理に、アプローチから蹴上10㎝の緩やかな階段を設けています。 床の間のある和室空間の待合所